THIS IS LIFE

生かし屋サンチャゴ本江のLIFE DETA BLOG

♯4 STAY MIND -残心‐

11月は様々な事があった1カ月だった。

 

自身が営む、お店の抜本的リニューアルに伴い、全スタッフが自立し、

独立した状態での歩みをはじめた。⁻詳しくは♯3の記事に‐

 

この稼業を初めて個人的に辿り着いた答えは「生かし屋」として生きていくこと。

 

はじめてフリーランスという形に身を置いた事で、活動領域が拡がった事を実感している。結局は自営業者であれ、お勤め人であれ、仕事を行い所帯を賄っていく事においてのリスクは同じなのだな。ならばあれこれ恐れず、私は私が得てきた活かし屋としての芸で飯を今後食って行く為に必要な事を知り、更には研鑽し、自他ともに充実した気持ちに至れるよう勤めていこうと感じた次第。せっかく選んだ『本当にしたかった事』なのだから、残りの若さを賭けて挑戦する値はある。

 

さて、今回は固い書き出しになったが、自身が束縛していたり、

されていた患いを解いた翌日、すっかり忘れていた言葉を思い出した。

 

残心

 

これは武道を行じる方なら、皆一様に大切にしている心構えを表す言葉。

相手と向かい合う前、立ち合いの最中、相手を制した後も心を残し、自身の間合いを崩さぬようにする所作。

 

長年、少林寺拳法を行じた上で、残心の大切さを理解してから格段に心技体が成長した事を覚えている。

 

この心構えを忘れていた事に愕然としたと同時に、自身のLIFEをより充実したものとし、今日一日に起こる様々な出来事や感じる事を精一杯楽しむ為に、この残心という心構えは非常に有効な心の錨となる。

 

いま、自身に起きた事、やろうとしている事、行った事。

これに心を残すよう心掛けた11月だった。

 

簡単そうで難しい。

 

思考は常に、次へ、次へと駒を進めたがるので、食事をしていても、仕事をしていても、風呂に入っていても、酷い時は床についても、これから先の心配事を頭は常に作り出してくる。

 

故に、食事は味気なく只の栄養摂取の手段となり、

仕事はすればするほど心配事と厄介ごとが増えていき、

眠るのも明日の為、風呂に入るのも、歯を磨くのも億劫だが仕方なし。

という塩梅。

 

こんな作業的な営みで、自身のLIFEが充実するはずもない。

 

思考は様々な事を複雑にするが、心は素直に現在起きている事を感じている。

歳を重ねる程に思考が自身をいま、ここから遠ざける。

今日一日はおろか、昨日食べた夕食についても、精一杯働いた仕事に関してももはや

曖昧な記憶で今を過ごしてしまう。

 

食事をするときは、いま食べているもの一つ一つに思いを馳せながら、精一杯味わいながら食し、食後も一服しながら今日の食事という行為に心を残す。

 

もし、人と言い争いをしてしまった時は、都合よく解釈せず、改めて何故そうなってしまったのか。という事に思いを馳せて、心に残す。

 

仕事を行う上で何かがうまくいかなかった時は、あれこれ先の手を考えるのではなく、

何故そのようなミスに(これは繰り返し起きやすい)至ったのか。に思いを馳せて、

その原因に自身の頭と心が納得するまで、心に残す。

 

思考の大半は過去と未来の事を考えているので、

いま、ここで起きている出来事を非常に軽視する傾向がある。

 

真剣を帯に携えて、いまから立ち合いに向かう侍が、昨日や明日の事を考えるだろうか。勝利したとしても、すぐに心を緩めただろうか。

 

現在はスマホが何もかも、実感を伴わない形で人との繋がりであったり様々な情報を与えてくれる。

食事に関しても、人と付き合うことに関してもあらゆる選択肢が簡素化されて用意されている。

複雑に進化し続ける情報化社会の中で、自分の人生だと思っているものの中から、

メディアからもたらされている情報やそれらに使っている時間を引いてみた時、あなたの中に何が残るだろうか?

 

本当の自分ってなんなのだろう?

自分は何処に向かって歩いているのだろう?

なんの為にそれを知ろうとしているのだろう?

 

多分、この単純な問いに答えられなくなっているのが、現代社会を生きる人々から、生きている実感や充実感を奪っているのではないだろうか。

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いま目の前で味わっているものに心を向ける。

一服のお茶に心を残す。自身が発する言葉にも。

 

そうやって、自分が生きている実感を感じられるよう、流されずに生きられるよう、

今一度他所との間合いを計りなおして、前進していこう。

 

応。